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実体試験と公差について

2012.04.05
実体試験と公差について

弊社ではアルミニウムの熱処理を行っていますが、雰囲気温度で熱処理をする場合には、例えば

500℃で4時間保持

という設定で電気炉の制御盤のタイマーをセットします。

この場合、通常は炉の中の温度分布にはバラツキがありますので、雰囲気温度が500℃に達している場合でも、実際の製品は500℃達していない部分があります。

実体測定(実態測定とも言います。)では、実際の炉の中の温度分布がどのようになっているかを調査します。

製品の形状や入れ方によりますが、小さい製品を入れた場合には、だいたい500℃に達するのに炉の中の場所によって1時間半から2時間ぐらいの時間差があります。

そのため、例えば

500℃で4時間保持

という規格が「実体での要件」だった場合には、電気炉の保持時間の設定は5.5?6時間ぐらいになることがあります。

それについて、より正確にしていくために実体試験を行います。

その場合、コスト的に保持時間を短くしたいということがありますので、製品の公差が500±5℃の場合には、実体で495℃になってから4時間保持をしています。

例えば、実体測定で4時間保持したときの雰囲気温度の保持時間が5時間44分だった場合には、その製品を量産するときには、

500℃で5時間44分の保持

というタイマーのセットで熱処理を行います。

熱処理は、あくまでも製品の温度が肝心ですので、実体試験を行って最適な熱処理条件を決める必要があります。

もちろん、弊社ですべてを決めるのではなく、お客様の要望を第一にしておりますので、何かご相談等がございましたら、いつでも御連絡をいただければと思います。

よろしくお願いいたします。