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溶体化処理時の焼入れ遅れについて

2012.08.31
溶体化処理時の焼入れ遅れについて

10年以上前は、アルミ熱処理のT4やT6の溶体化処理の水冷時の焼入れ遅れの時間は「30秒以内」という暗黙の了解のようなものがありました。

メーカー様によっては、きちんと規定もされています。

その「30秒」については、炉の蓋が開き始めた瞬間か、あるいは蓋が開いて製品を取り出し始めた瞬間か、その規定もメーカー様によって違いがあります。

また、水槽内にバスケットが全部入った状態でも、1tぐらいの重量の製品ですと中の方まで水温と同じになるまでには更に数秒かかります。

また、どちらかというとA6061などは焼入れが遅いと硬さが出にくい場合がありますが、AC4Cの鋳物などは水冷がゆっくりでも硬さは出ます。

そして、「30秒」という時間では無く、例えば

「500℃の製品が480℃になる前に冷却されること。」

のような品質上の規定があれば、焼入れ遅れが1分だったとしても空気に触れないように鉄やアルミの板で周囲を囲ってしまうという方法もあります。

熱処理の場合、保持時間は5分や10分長くなっても製品への影響はわずかですが、水冷の場合には「秒」の単位で急ぐ必要があります。

弊社はバッチ式の炉を使用していますので、水冷は熟練した作業者が社内認定を受けて作業しています。

社内認定については、水冷がスムーズにできるというだけでなく、それに関わる知識も含めた教育訓練が必要になっています。

アルミニウムの熱処理に関して、何かご質問等がございましたら、いつでもお問い合わせをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

2012.08.24
硬さ試験機の誤差について

通常の使用では特に問題は無いのですが、例えばエックスバー管理図などを正確に作成したいという場合に、硬さ試験機の誤差について知っておく必要があるかもしれません。

硬さ試験機は、毎回まったく同じ数値が出るような精度では作られていません。また、弊社はアルミニウムを主に扱っていますが、同じ部品でも測定箇所によって変化が見られます。

硬さ試験機よりも、標準試験片や基準片と呼ばれる硬さ試験機の性能をチェックするためのものがありますが、その基準片は正確な数値が出る精度の良い物なので、それを測定して試験機の精度を確認します。

本来であれば製品を測定する直前に基準片を測定してチェックすべきですが、通常業務では許容範囲なので特に行うことはありません。

ブリネル式の場合には、厳密に言えば押し付ける硬球が微妙に変形することも考えられます。ただ、弊社では穴の大きさを測定するのは拡大鏡で、その目盛は0.5ミリ単位ですので、特にそこまでは考慮していません。

ロックウェルの場合は先端のダイヤモンド圧子と基準圧子との硬さの差を±0.8HRとしていますが、その辺りでも正確に言うと誤差が発生しています。

質量や寸法に関する誤差は製品の誤差ですが、アルミニウムの測定における誤差は試験機や拡大鏡によるものもあります。

通常は、例えばHB80?100のように合格品の硬さの範囲が広く規定されているので問題にはされません。

そしてエックスバー管理図で傾向管理も特に問題は無いと思います。

ただ、ひとつひとつの製品について、誤差がどの程度であるかはハッキリしておいた方が良い場合があります。

硬さについてなど、何かご質問等がございましたら遠慮なくお問い合わせいただければと思います。

2012.08.09
夏季休業のお知らせ

お世話になります。

弊社の夏休みは、

8月12日(日)?8月16日(木)

となっております。

その期間中に、もしアルミニウムの熱処理のご依頼がございましたら、ご連絡いただければと思います。ご相談をさせていただき、なるべく対応できるようにしたいと思います。

また、メールのお問い合わせにつきましては、夏季休業中は少し遅れるかもしれませんがお答えいたします。

よろしくお願いいたします。

2012.08.02
炉内循環ファンについて

弊社のアルミ熱処理用の電気炉には、すべて炉内の空気を撹拌するファンがついています。

炉内の空気の温度は、温度が高くなるにつれて上下の温度差が大きくなるため、「熱風循環ファン」と呼ぶもので撹拌しています。

そのため、500℃付近でも炉内の温度は±3℃以内という高性能の炉になっています。

また、ファンの位置は天井部となっています。中央で吸い上げて周囲から下に行くという流れです。

下部にファンがある炉の場合、構造的には簡単なのですが、製品が落ちた場合や砂などの影響でファンが壊れることがありますので、上部ファンの方が安心できます。

ファンの形状は風圧を上げる構造になっていますので、500℃ぐらいで軽くなった空気もしっかりと炉内を循環させることが可能です。

このファンの循環もまた熱処理炉には重要なポイントです。

アルミニウムの熱処理について、何かご不明な点などございましたら、いつでもお問い合わせいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。