2018.02.28
昇温時間と保持時間について
アルミニウムだけではなく、熱処理全般についても同様ですが、昇温時間+保持時間=加熱時間ということが言えます。
昇温時間というのは、例えば500℃で熱処理を行う場合に、500℃に到達するまでの時間です。
保持時間というのは、500℃で5時間保持する場合に、500℃に達してからその温度でキープを続けた時間です。
表記としては、500℃×5Hとしています。
また、温度公差が±5℃という場合は、500℃±5℃×5Hとすることもあります。
連続炉と違ってバッチ式の炉ですと、加熱された製品を炉から取り出した後に別の製品を入れます。
その為、すでに炉が充分に暖まっているところに製品を入れることなりますので、製品を入れた時の炉内温度は300℃前後ぐらいになり、そこから更に加熱することになります。
それとは違い、炉の温度が上がっていない場合には、室温から加熱することになります。
前者の場合には500℃に到達する時間は短くなり、後者の場合には遅くなります。
製品の大きさや数量で昇温時間は異なりますが、保持時間が一定であれば製品の品質には影響はありません。
アルミ熱処理でご不明な点などございましたら、いつでもお問い合わせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
2018.02.21
硬さ測定機器
弊社では、アルミニウム熱処理後の合否判定を行う硬さ測定機器は、ブリネル式硬さ試験機とロックウェル式硬さ試験機を所有しております。
アルミ製品の大きさや形状、または材質により使用する機器を選択する事になりますが、お客様からの御指定をいただいた場合には、どちらでも測定は可能な状態になっております。
測定機器の維持管理に関しましても、社内で定期的に基準片の測定を行い記録を残す管理と、2年に1回の社外校正を実施し、校正結果は、国際試験所認定協力機構及び、アジア太平洋試験所認定協力機構の相互承認に加盟しているIAjapannに認定された校正期間によって発行される校正証明書と共に、検証記録と硬さ試験機トレーサビリティー体系図を保管しております。
ブリネル式硬さ試験機 ロックウェル式硬さ試験機
年に数回程度ですが、硬さ測定のみの御依頼をいただく場合もございます。
また、お客様のご希望により熱処理前後にて硬さ測定を行い、測定結果を作業成績表へ記載し提出することも可能です。
アルミ熱処理はもちろんの事ですが、硬さ測定に関しましてもご質問等がございましら、お気軽にお問合せをいただければ幸いです。
2018.02.14
熱処理炉の紹介
弊社は第一工場・第二工場合わせて、17台の熱処理炉があります。弊社の熱処理炉はバッチ式の電気炉です。
大型炉
有効寸法 W2,000✕H1,500✕L3,500。形状にもよりますが、T5処理品は約2,5t。T6処理品は約2tまで処理が可能です。
大丸炉
有効寸法Φ1,400✕H1,750mm。形状にもよりますが、約900kgまで熱処理が可能です。毎日、T6処理を行なっております。
小丸炉
有効寸法Φ850✕H1,350mm。形状にもよりますが約300kgまでの熱処理が可能です。試作品や数量の少ない製品や小さな製品の熱処理を行なっております。
中型角炉 角炉
丸炉の他に角炉があります。主にT5処理や焼鈍処理を行なっております。
製品の形状や数量や熱処理の種類によって使用する炉が変わってきます。工場見学もいつでも出来ますので、アルミニウム熱処理の事で何かございましたらいつでもお問い合わせいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
2018.02.07
製品や材料の切断について
アルミニウムの熱処理を行なった後で、硬さの測定がやりにくい形状のものや、製品内部の硬さを確認したいときには製品を切断する場合があります。
弊社では、バンドソーで切断を行なっていて、お客様の要望があれば材料の切断も可能です。
また、鋳物製品の湯口の切断を依頼されることもあります。
バンドソーで切断した後に、ディスクグラインダーによる仕上げ作業もおこなっております。
一般的には、湯口を切断した製品を熱処理し、その後切削加工をする工程になりますが、弊社にて行う場合もあります。
切断面の硬さ測定が目的であったり、形状的に硬さ試験機に入らない物などを加工し正確な硬さを測定いたします。
その時には、製品を一つ使用不可の状態にしてしまう可能性がありますので、お客様とご相談し切断せずに測定する方法をご提案させていただくことも可能です。
アルミニウムの熱処理についてのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。