2025.11.12
アルミニウム熱処理の設備点検
アルミニウム熱処理をする設備では、各種の点検が必要になります。
毎日使用するフォークリフト、クレーン、測定器、検査器具、熱処理に使用する治具などがあります。
測定器は熱処理炉の温度を測定する熱電対、温度調節計、温度記録計があります。
弊社の熱処理炉は自社製の為、温度関係は社内で点検・記録を行っております。
硬さを測定する際に使用する測定器は、ロックウェル式とブリネル式を使用しており、どちらも専門業者に点検・校正をお願いしております。
フォークリフト、社用車、トラックも車検の時に点検をおこなって整備してもらいます。
熱処理に使用している治具関係は、使用頻度により点検時期を決めており、自分たちで補修をおこなっております。
アルミニウム熱処理について、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
(記事作成 横田)
2025.11.05
品質月間
毎年11月は品質月間です。今年もこの季節になりました。
2025年の今年は第66回になります。
弊社でも工場に10月末に旗を掲示しました。11月からはスタッフ全員バッジを付けて作業を行っております。
日頃より、品質の維持と向上を意識しておりますが、このような機会にもう一度、品質への取組み方や作業について見直しをしていこうと思います。
アルミニウムの熱処理は、製品の硬さを規格内に入れる事はもちろんですが、製品のキズや打痕などにも注意しなければなりません。また、熱処理炉内の温度分布も注意しなければなりません。その為、打合せや勉強会などを行い、品質の維持と向上にスタッフ一同で取組み、今以上にお客様のお役に立てるように努めてまいります。
アルミニウムの熱処理で何かお困りな事などございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)
2025.10.29
焼きなまし(焼鈍)の炉冷について
アルミニウムの熱処理にはいくつか種類があります。
硬くする、軟らかくする、歪を取る、という3種類と、砂焼きなど他の熱処理もあります。
その中で焼きなまし(焼鈍)は「軟らかくする」という熱処理になります。
温度としては、たとえばA2014は約345℃、A6061は約415℃で保持したあとで「炉冷」を行います。
炉冷というのは、その名の通りで炉の中に製品を入れたまま冷まします。
これは、炉から出すと大気に触れて急に冷えてしまうため、炉の中でゆっくりと冷ます方法です。
規格では「260℃以下までは毎時30℃以下の速度で行うことが望ましい」となっています。
通常で考えると、たとえば415℃で保持したあとでヒーターのスイッチを切れば、自然に温度は下がっていくと予想できます。
しかし、実際には415℃でヒーターを切ると炉内の温度は急速に下がっていきます。
それなので、1時間に30℃以上の温度が下がらないように、ヒーターのスイッチを入れたり切ったりしながら調整します。
実際、冷却のときには作業者が常に制御盤のところで監視することになります。
焼きなまし(焼鈍)の場合には、このように厳密に行う場合と、ただの炉冷にする場合、あるいは保持が終わったら炉から出してしまう場合など、いくつかのパターンがあります。
お客様が望む結果を出すために、色々とお打ち合わせをさせていただければ幸いです。
アルミの熱処理について、何かご質問等がございましたら、いつでもご連絡いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
(記事作成:森)
2025.10.22
角型炉を修理しました。
弊社で活躍中の角型炉ですが、内部の修理を行いました。
該当箇所は「マッフル」と呼んでいる板です。
炉内の壁に設置してあるヒーターの熱が製品に直接当たらないようにするための遮蔽板ですが、炉内の空気を循環するための整流板の役目もあります。
入口付近に少し隙間があったため、中のマッフルを移動しようとしたところ、うまく移動できないので補修しました。
炉内の入口の下のところも隙間があったため、保温材を新しくしました。
炉によっては、お客様から指定されていて、変更前に相談をして許可をいただき、補修後に実体試験などを行ってから今後の対応を考えるのですが、今回の炉は指定外でしたので弊社の判断で行いました。
写真はこちらです。
炉の扉の横の側面の銀色の板がマッフルですが、わかりにくいかもしれません。
それと、天井部にある熱電対はダブルだったのですが、記録計には1点だけを記録していました。
確認用にダブルで使うことにして、その配線も行いました。
色々とメンテナンスを行いながら、熱処理を行っております。
ご質問、ご要望等がございましたら、いつでもご連絡いただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
(記事作成:森)
2025.10.15
製品の詰め方(置き方)について
弊社では毎日、様々な形状・材質の製品の熱処理をさせていただいております。
熱処理用治具に製品を詰める際には、「変形しないようにする。」「焼入れの際、製品に水が溜まらないようにする。」などと製品の形状によって置き方を色々と考え工夫をして詰めております。
鋳物ですと、T6熱処理(溶体化処理)を行うと変形や歪みが発生しやすくなります。特に板状の長い製品や厚みの薄い製品は変形や歪みが大きくなる事が多いです。板状・パイプ形状の製品は立てて熱処理を行う事で変形や歪みを少なくする事が可能です。
また、お椀のような形状やタンクのような形状の製品は置き方によっては焼入れの際、水が溜まってしまいます。水切りを行っても取り切れない為、1個ずつ水を出さなくてはなりません。
製品の中に水路がある製品の場合も水が抜けない為、エアブローを行い、水を飛ばすなどの作業が必要になる場合がございます。
変形や歪みが発生しそうな場合は、熱処理前にお客様にお話しをさせていただいてから、熱処理を行っております。また製品の置き方などの指定がある場合は、そのように治具に詰めさせていただいております。
アルミニウム製品の熱処理についてお困りな事などございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)




