2012.10.11
アルミの焼なまし処理と軟化処理について
アルミニウムの熱処理には色々な種類がありますが、質別記号で「O(アルファベットのオー)」になるのが焼なましです。
呼び方は、「O材処理」、「焼鈍(しょうどん)」と呼ばれることもあり、場合によっては「アニール」や「安定化処理」と呼ばれることもあります。
「アニール」や「安定化処理」はT5の熱処理を指す場合もありますので、一応希望熱処理の温度や希望の目標硬さなども確認させていただいております。
「焼なまし」は、通常は冷間加工の前に行われることが多く、熱処理型、非熱処理型の両方のアルミニウムで行われます。熱処理により、強度の低下と伸びの上昇が起こります。
温度としては、例えば1000系、2000系、3000系、5000系では約345℃、3000系の一部、6000系、7000系では約410?415℃になっています。
軟化処理の場合には、加熱保持後の冷却時に260℃までは毎時30℃以下の速度で行う規格となっています。
ただ、2000系、6000系で冷間加工や熱処理の影響を除くだけの場合には345℃に加熱した後、炉から出して放冷すればよいことになっています。
7N01、7075で熱処理をしたものの場合には410~430℃で2時間保持した後に空冷(放冷)し、そして約230℃に再び加熱後4時間保持します。この場合も、冷間加工や熱処理の影響を除くだけだったら、約345℃に加熱後に放冷となります。
熱処理に関するご質問等は、いつでもお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせをいただければと思います。