2012.11.08
再熱処理について
たまに「再熱処理」についてのお問い合わせを受けます。
「再熱処理」は、主にT6についてです。
T6の熱処理自体、約500℃ぐらいで加熱・保持した後に急冷して、その後に人工時効硬化処理を行います。合計で2回の熱処理がありますので、人工時効硬化処理を「再熱処理」や「再加熱」と呼ぶこともありますが、問い合わせで多いのは「T6自体をもう1度やるとどうなるか」ということです。
つまり、「再T6」ということになります。
経験的には、2度めのT6は表面の色が少し黒っぽくなります。硬さはほぼ同じです。
3度目以降は更に黒くなると共に硬度は低下していきます。
鋳物や鍛造品など、熱処理の温度分布を測定するために同じ製品を何度も熱処理することがありますが、どれもそのような結果になっています。
硬度が低下する理由としては、「マグネシウムの成分が抜ける」ということを聞いています。
また、T6後に焼鈍(焼きなまし)処理をして柔らかくなった製品を、再びT6処理したときにどうなるのかというご質問もありますが、その場合にも硬くなります。ただし、何回も繰り返すことはできません。
弊社では、アルミニウムに関する色々な熱処理を行なっておりますので、ご質問等がございましたらお気軽にご連絡をいただければと思います。
よろしくお願いいたします。