2013.02.21
時効硬化曲線について
アルミニウム合金を溶体化処理した後、室温以上固溶度曲線以下の温度で時効処理をすると、時効硬化します。
言葉が少し難しいかもしれませんが、溶体化処理は高温から急冷する処理で、固溶度曲線は固溶体となる温度範囲を示します。
つまり、アルミニウム製品を高温で保持し、そこから水槽などに入れて急冷した後で、常温や200℃前後に加熱して保持することで硬さが増加することです。
そのときに、温度と時間によって時効硬化の硬さの変化がどのようになるかをグラフにしたものが時効硬化曲線です。時間が経つと硬さが増していきますが、ある程度の時間を過ぎると硬さは低下します。
グラフ自体は、ピークがあって下がるという単純なものではなく、2段の凹凸のある曲線になります。
時効の温度が高いほど、硬さの低下は短時間で始まると言われていますが、過時効を目的とした熱処理もあります。
熱処理で目的の硬さにするためには、過時効曲線を参考にすると良いのですが、もし入手ができないときには実際にテストを行う必要があります。それは例えば、時効硬化処理用にサンプルを5個用意して、保持時間が4・5・6・7・8時間のときに炉の扉をあけて1個ずつ取り出して、それぞれが常温になってから硬さを測定するという方法で行います。
弊社では、そのような試験も行なっておりますので、ご希望があればご連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。