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硬さの測定場所と測定数について

2013.07.04
硬さの測定場所と測定数について

弊社のアルミニウム熱処理はバッチ式の電気炉を使用しております。バッチ式というのは、1台の炉の中に製品を入れて加熱が終わると取り出して次の製品を入れるようなやり方です。連続炉はベルトコンベアーで製品が流れていく方式です。1台の炉の中に入る数量は容積一杯のときもあれば少量のときもあります。

バッチ式の場合、熱処理の合否判定のための硬さ測定を行う製品は、ランダムで取り出すよりも取り出し場所を決めておく方が熱処理不良の発見を目的とする場合には確実です。

炉内の温度分布などから昇温の遅い場所がわかりますので、1番温度条件の良くない場所から取り出すことで、その場所の硬さがわかれば、他の場所はそれ以上の硬さになっていると予想できます。もちろん、第一回目の熱処理では他の場所から取り出して実際に硬さを測定して硬さの分布を確かめておく必要があります。

この方法は、硬さの規格が例えば「HB80以上」という場合に有効な考え方です。

硬さの範囲が「HB76~100」の場合は硬すぎてもNGですので、そのときも硬さを測定する製品の取り出し場所を考えます。それらは製品の形状や詰め方によって変わってきます。弊社はアルミニウムの熱処理専門で行なっていますので、それについてのノウハウも蓄積しております。

そして、硬さの測定数ですが、最初に製品の詰め方と温度の設定を数回の実験で行なって、そのときに硬さの分布も調べておいた場合、極端な話ですと熱処理の設定さえきちんとしておけば量産のときに合否判定のための硬さの測定は不要です。その理由は、「100%成功する熱処理方法」を事前に調査して熱処理方法を決定しているからです。

しかし、やはり何が起こるかわかりませんし、材質の問題や測定機器のエラーの問題、そして硬さの傾向管理という点から考慮しても硬さ測定は最低でも1個は行うべきです。

お客様によっては炉の中からランダムで取り出して100個に1個ぐらいの割合で測定して欲しいという要望を受けるときもあります。場合によっては1回の熱処理で30~90個の測定を行う場合もあります。一応、そのような場合には別途で御見積を提出させていただきますが、しばらくそれを続けているうちに測定数は10分の1以下になりますが、いつも同じ結果になっていることを確認されてから測定数を減らすという選択も良いと思います。

熱処理の硬さ試験についての問い合わせ等はいつでもお受けしておりますので、よろしくお願いいたします。