2013.10.10
焼鈍の後の焼入れは可能か?
先日、お問い合わせがありました。
「アルミニウムの熱処理で、T4の後に焼鈍を行って柔らかくなったものを、再びT4をやると硬さは増すか?」
というものです。
T4は溶体化処理後に自然時効したものです。
例として2014材の硬さを比較するとブリネル硬さ(HB W 10/500)で、
2014
T4 HB105
T6 HB135
O HB45(焼鈍、焼きなまし)
T4処理を行った後に焼鈍をすると柔らかくなります。そしてその後に再びT4を行うと硬さは上記のようになります。場合によっては少し柔らかめの傾向になります。
通常、溶体化処理は3回ぐらいまでは可能と言われていますが、2回目3回目は硬さが出にくく、また表面の色も黒っぽくなります。
できれば熱処理は1回で終わらせるほうが品質も一定になりますしコストも安くなります。しかし、色々な事情や研究、その他の理由で熱処理を繰り返す場合もありますので、ご要望がありましたがいつでもご相談いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。