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時効軟化について

2014.02.27
時効軟化について

アルミニウム合金を積極的に軟化させるには、「焼鈍(しょうどん)」や「焼きなまし」と言われる熱処理を行いますが、例えばAl-Mg合金はMgの含有量が多いほど、また加工硬化量が大きいほど、室温での経時変化が起こりやすくなり、時間の経過とともに強度が低下していきます。

これは時効軟化と呼ばれています。

この時効軟化は加工ひずみ上にAl-Mgの化合物(β相)が析出し、ひずみが開放されることによって起こると考えられています。

工業的には時効軟化を防止することは重要で、加工硬化後に120~175℃で熱処理を行うことにより、あらかじめ人為的に時効軟化を起こさせ、その後の室温での時効軟化を抑制します。

時効軟化はMg元素が関与した現象であるため、質別記号のH3nはMg元素を含有した合金にのみ適用されます。

(参考文献:「アルミニウム合金の強度」 小林俊郎 編著)

アルミニウムの熱処理に関しての御質問等は、いつでもお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。

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