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電気炉の温度の制御方法について

2014.09.18
電気炉の温度の制御方法について

弊社のアルミニウムの熱処理炉は電気炉を使用しています。

ヒーターに電気を通して発熱させて加熱をするのですが、その制御方法にはサイリスタを使用しています。

昔の電気炉は、ONとOFFの制御方式でした。

ONとOFFの動作は、例えば炉内の温度設定が500℃の場合、500℃に達した時にヒーターがOFFになります。

通常は、500℃でヒーターが切れてもそのまま昇温するため、502~505℃ぐらいまで上昇した後に冷めてきます。そして、炉内の温度が500℃を下回ったときに再びヒーターがONになります。

このため、500℃で保持するときには、だいたい495~505℃ぐらいの温度範囲ですが、温度記録計を見るとONとOFFを繰り返すためにギザギザになっています。

それに対して、サイリスタでの制御は、500℃に近づくにつれてヒーターの出力が弱まり、だいたい50%ぐらいになって500℃を超えないように調整されます。そして、その後もヒーターの出力をコントロールしながら保持をするため、499~501℃ぐらいの範囲で保持されます。

また、加熱してから保持に入るときに一旦温度が設定温度を大きく超えて戻る、いわゆるオーバーシュートと呼ばれる現象もなくなります。

ただ、実体(実態)温度で見ると、それほど細かな上下の温度変動はありませんので、どちらの制御方法でもだいたい品質は保たれます。

1番の問題点は加熱から保持に入るときのオーバーシュートのときに、ON・OFF制御だと一瞬ですが雰囲気温度が設定温度よりも高くなるため、製品への影響も多少あるかもしれないということです。あまり気にならない範囲だと思いますが。

そして、加熱するときの時間ですが、あまり早くても炉内の空気ばかりが暖まって製品の温度とずれが出ますので、だいたい1時間半から2時間ぐらいで保持に入るような加熱時間が良好なデータが出ますので、それを狙うにもサイリスタ制御が最適なものとなります。