2019.02.06
アルミ製品の熱処理治具への詰め方について
皆様の身の回りで、温度設定をする機械があると思います。
オーブンレンジの温度設定、給湯器の温度設定、湯沸かしポットも温度設定出来るものがあります。
デジタル目盛で、たとえば「41℃」と設定すると、その通りになります。
その感覚で熱処理設備の機械を例えば「505℃」と設定したとき、実際はどのようになると思いますか。
温度計で測定して、それに合わせて機械が温度調節を制御しますので、炉の中は「505℃」になります。
それなので、品物をそのまま炉の中に入れれば、その温度になると思われるかもしれませんが、実際はもう少し複雑です。
炉の中に何も入っていない、「空炉」と呼ばれる状態でも、実は炉内の温度を別の温度計で10個所ぐらい測ってみると、温度分布にはバラツキがあります。
弊社の炉は±3℃以内の分布になっています。
そして、そこに品物を入れた場合、小さなものが1~2個の場合には炉内の空気には影響が無いのですが、例えば1個1kgぐらいのものを500個で合計500kgぐらいの製品を炉内に入れた場合、炉の上下や真ん中と端で温度が違ってきます。
炉内は熱風循環ファンと呼ばれる特殊な形状のファンで空気を撹拌(かくはん)しています。500℃ぐらいになると空気の質量が半分程になるため特殊な形状のファンを使って圧をかけていきます。
その空気が製品の間を抜けていくときに温度を上げることができますので、炉内の品物の詰め方を工夫する必要があります。
また、設備の設定温度が500℃に達したとしても製品の温度はもっと低いため、保持しておく時間の長さもロットによって変わってきます。
製品を炉の中に入れるときに、それらのことを考慮しなから作業を行っています。
炉の中でどのようなことが起こっているかを想像しながら、製品ごとに工夫をして熱処理をしています。
何かご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。