2020.12.02
市販されているアルミニウム材について
たまにお問い合わせをいただくのですが、「市販されているアルミの板を購入しました。これを加工するのですが、図面にT6と書いてあリます。どのようにすれば良いのですか」という事があります。
T6は、溶体化処理(高温で保持したあとで水で急冷)の後で人工時効硬化処理を行う工程です。
2000系や6000系で市販されているアルミニウムの板は、通常はT6されているようです。
購入する時に確認をすると教えていただけます。
おそらく、圧延からT6までの一貫した製造工程になっている工場で作られていると思います。
生材のまま使う場面は無さそうにも思います。
板を切削加工するときにはT6を行って硬くした方が切削性が良いので、わざわざT6するよりも便利で安価で入手できるのではないでしょうか。
T6されている板を切削加工しても素材の変形は起こりません。また、経年変化も起こりませんので安定化処理も不要です。
それなので、切削加工を行った後のT6は不要です。
溶接作業を行った場合には、アルミニウムが溶ける温度まで上昇し、そこから自然冷却となりますので硬さは柔らかくなります。
つまり、溶接作業の後にはT6を行うことで強度を増すことができます。形状によっては変形したり溶接の角度が変わったりしますので注意が必要です。熱処理を行う時に少し工夫が必要です。
アルミニウムの熱処理に関して、何か疑問等がございましたら、いつでもお問い合わせをいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。