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T6処理における、製品の変形について

2021.02.24
T6処理における、製品の変形について

アルミニウムの熱処理で、溶体化処理の後に変形することがあります。

表題はT6としましたが、高温から急冷するT4とT6の場合に目に見える形で変形することがあります。

「歪取り」と言われるアニール処理やT5処理、安定化処理なども変形が起こりますが、それは目で見てもわからないレベルです。

T4やT6で変形するのは材質や形状によって変わります。

2000系、6000系、7000系は変形は少ないのですが、板状の場合で特に大きさに対して厚みが薄いと変形します。

鉄の板で治具を作ってサンドイッチ状にして熱処理をした場合でも、治具を外すと変形します。

加熱中に変形する場合もありますが、主に急冷するときに変形しています。

冷却スピードを遅くすると硬さが低くなりますので、薄い板の熱処理は色々と工夫が必要です。

AC4Cなどの鋳物の場合は、例えば丸いタイヤのような形状の製品は円形が楕円になったりします。

うまく「つっかえ棒」のようなものを入れて熱処理をしたり、急冷後に矯正作業を行って元に戻したりします。

色々な形状で、それぞれ特性が変わってきますので、場合によっては1個だけ先にトライさせていただくようにお願いさせていただくこともあります。

熱処理後の加工の程度によって多少の変形は大丈夫なときもありますが、最近は「加工しろ」が少ない製品が増えています。

アルミニウムの熱処理に関してのご質問も随時受けていますので、お気軽にご連絡をいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。