2025.10.01
熱処理作業成績表について
弊社では、ご希望に応じて各種のアルミ熱処理作業データを作成しお渡ししております。
何時、どのような温度と時間で熱処理をおこなったか、そして硬さはどのくらいになったかを記入しております。
場合によっては、熱処理の温度と時間を記録したチャート紙の原本やコピーしたものを提出しています。
また、熱処理作業時に使用した「熱処理管理シート」のコピーを提出することも可能です。
弊社での保管・管理が不要な場合には原本をお渡ししております。
熱処理管理シートとは、入荷から出荷までの作業工程の日時と作業者がわかるようになっているものです。
そして、硬さ測定については測定数を増やしてデータを分析することもできます。
どのような熱処理をしたかという記録の提出、更に硬さや実体温度(製品の温度)などのデータを追加することもできます。
アルミニウム熱処理について、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
(記事作成 横田)
2025.09.24
加工前と加工後の熱処理について
アルミニウムの熱処理は、製品を作る工程の中の一部になります。
熱処理のタイミングは、前工程と後工程によって異なります。
先日、お客様から「加工が終わった製品に熱処理をするのと加工前の素材に熱処理をする2種類あるかと思いますが、
他社様はどちらが多いですか?」とご質問をいただきました。
弊社では、ほぼ加工前の製品や素材を熱処理させていただいております。多くのお客様は熱処理後に加工を行ってらっしゃいます。
熱処理の種類によって異なりますが、T6熱処理の場合、溶体化処理の水冷却時に製品は柔らかくなっている為、加工後の製品ではキズやダコンなどが発生しやすくなってしまうので、キズやダコン防止の対策が必要になります。
熱処理工程の中で加工と言うと主に矯正作業などがあります。
弊社では、T6熱処理の場合、溶体化処理後の水冷直後にハンマーなどを使い、矯正作業を行い、製品が硬くなる前(4時間くらい)に矯正作業を終らせております。
T5熱処理の場合は、熱処理前に矯正作業を行ってもいいように思いますが、熱処理前に矯正作業を行ってしまうと応力除去の関係で寸法が変化してしまう場合がございますので熱処理後に矯正作業を行っております。
加工前でも加工後でも熱処理は可能ですので、ご相談などございましたらいつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)
2025.09.17
アルミニウムの腐食について
先日、アルミニウムの腐食についてのご質問をいただきました。
「錆びた鉄と触れた状態だとサビが移るか?」
ということです。
結論から言いますと、鉄のサビがくっつくことはありますが、それによってアルミが鉄のように錆びることはありません。
アルミニウムの場合は大気中で酸素に触れると酸化しますが、そのときに不動態皮膜という無色透明の膜が張られるので、鉄や銅のような色にはなりません。
ただ、表面に鉄のサビが付着すると汚れとして表面に付いて取れにくくなったりします。
たとえば2000系や6000系の合金で表面がバフがけされているようなツルツルの面になっていると汚れは付きにくく落ちやすくなります。
また、鋳造品などは表面が凸凹でガスによる気泡があるので汚れが付きやすく取れにくい場合があります。
アルミ鋳物を屋外に出しておいて雨に濡れると黒くなりますが、あれはサビではなくて汚れになります。汚れは表面から中に入っていくので落ちにくくなります。
弊社では、アルミニウムは屋外に保管せずに屋内保管にしています。一時的にトラックからの積み下ろしで屋外に置くことはありますが、雨の日はシートやビニール袋をかけてトラックへの積み下ろしを行います。
お客さま次第ですが、小雨のときに小さな製品をお客さまの乗用車に手積みすることはあります。
それと、海水や酸、アルカリに長時間触れていると酸化被膜が壊れて腐食することがあります。アルミの表面に白い粉のようなものが付いた感じになったりします。
いずれにせよ、アルミニウムは切断したときでも瞬間的に酸化被膜が付きますので、耐食性が高い性質を持っています。
アルミニウムの熱処理に関するご質問はいつでも無料で受け付けていますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成:森)
2025.09.10
製品や材料の切断について
アルミニウムの熱処理をおこなった後で、検査(硬さの測定)が形状的に困難な場合や、製品内部の硬さを測定したいときには、製品の切断をする場合があります。
弊社では主にバンドソーを使用し切断をおこなっていて、お客様の要望があれば材料の切断も可能です。
また、鋳物製品では熱処理をする前に湯口の切断を依頼されることもあります。
湯口の切断などは、バンドソーで切断した後に、ディスクグラインダーによる仕上げ作業も依頼されることもあります。
一般的には、湯口を切断した製品を熱処理し、その後に切削加工をする工程となりますが、弊社で行うこともあります。
また、正確な硬さを測定する為に硬さ試験機に入らない製品や、断面の硬さを測定する為に切断が必要となります。
その時には、製品を1~2個使用不能にしてしまう為、お客様とご相談し測定方法についてご提案させていただいております。
アルミニウムの熱処理についてご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成 横田)
2025.09.03
アルミニウム製品の昇温時間と保持時間
アルミニウム製品の熱処理時間は、昇温時間+保持時間=炉内で加熱している時間になります。
「225℃×5時間」のT5熱処理で例えます。
お問合せやご相談をいただく中には5時間後には熱処理が終わっている。と思われるお客様もいらっしゃいます。その為、5時間後に取りに行っていいかな?と言われる事もございます。
昇温時間とは、225℃に到達するまでの時間になります。
保持時間とは、225℃に達してからの設定時間(5時間)になります。
昇温時間は、製品の大きさや数量や詰め方などによって異なります。また、使用する炉の温度が温まっている場合は昇温時間が早くなり、冷めている場合は昇温時間が遅く(長く)なります。昇温時間は異なりますが、保持時間が一定であれば製品の品質には影響はございません。
処理温度・昇温時間・保持時間は、チャート紙で確認が出来ますので、お客様によっては、チャート紙を提出しておりますので、ご要望がある場合にはご相談していただければ幸いです。
アルミニウム製品の熱処理でお困りな事などございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)