2021.02.17
矯正作業について
アルミニウムの熱処理は、形状や材質によって変形する場合があります。
その変形の修正や鋳造時の反りなどを修正することを、矯正と言います。
歪み取りや、くるい取りと呼ばれることもあります。
T6熱処理の場合は、溶体化処理の水冷却後すぐにハンマーや油圧機器を使用して矯正作業を行います。
弊社では、水冷却後4時間以内に矯正作業を終わらせるように予定を組みます。
それ以上、時間が経過してしまうと硬さが増して作業がやりにくくなってしまったり、製品が割れてしまうこともあります。
その為、矯正作業が重ならないように炉の予定を考え、迅速に作業を行います。
お客様によって、矯正作業に立ち会いたいなどの要望があった場合はお客様が来社される時間に合わせて、水冷却を行い作業を最初からみていただく事もあります。
矯正作業などで、ご不明な事がございましたらいつでもお問い合わせをいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
2021.02.10
保持時間の異なる熱処理について
おかげ様で多くのお客様からお問合せや試作品などのご依頼をいただいております。
お問合せをいただいた際に「人工時効処理の温度条件は同じで保持時間が数パターンな製品を一緒に一度で処理をしてほしい。」と言われる事があります。処理温度が異なる時には一緒に熱処理を行う事は出来ませんが保持時間が異なる場合には一緒に熱処理を行い、途中で製品を取り出す事も可能です。先日もそのようなご依頼をいただきました。製品は小さな物だったのでアルミ板で包み、途中で製品を取り出しながら熱処理を行いました。
溶体化処理の場合には、炉の蓋を開けると温度が下がってしまうので少し工夫が必要になりますが、人工時効処理の場合には蓋を開けてもあまり影響はありません。理想は、ひとつひとつ熱処理を行い、きちんとデータを取る事ですので、このような熱処理方法も選択肢のひとつになります。
お客様の要望に出来る限りお答え出来るようにとスタッフ一同考えておりますので、お気軽にご相談していただければ幸いです。宜しくお願いいたします。
2021.02.03
品質目標について
ISO9001では「品質目標」の策定についてが規格の中にあります。
今は2015年版ですが、当初からあったもののひとつです。
全社の目標と、各部署における目標の複数を設けるように言われていたと思いますが、2015年版は最低でも1つあれば大丈夫のようです。
ただし、確実に実行されていなければなりません。
やはり目標が無いと漠然と仕事をしてしまうために進化が遅くなりますし、達成する喜びも味わえません。
弊社の場合には品質は維持できていますので、それらについては特に目標は設定していません。
アルミニウムの熱処理の性質上、1回の処理の中で部分的に不良品が出ることはなく、また熱処理で不良品が出ることもないので「不良率を下げる」という目標は当てはまりません。
品質に関して考えられるのは、傷や打痕ですが通常は丁寧に扱うために起こりません。
そのような理由で、品質目標としては主にコストダウンや5S、行動ルールなどになっています。
それらの目標については目標値を決めて、到達状況もまた数値化して状況がわかるようにしています。
漠然とした目標や、やるべきことなどについては日常的なミーティングの中で行います。
そのような状況で、みなさまから依頼されたアルミニウム製品の熱処理を丁寧に仕上げています。
スタッフ一同、お客様に感謝をしながら仕事をしております。いつも色々とありがとうございます。
2021.01.27
社内研修
弊社では、社内の勉強会を毎週行っています。
また、アルミニウムの熱処理に対する技量はISO9001の運用の中で「力量」として各自の表を作成しています。
それとは別に、社内研修としていくつかの体験をすることがあります。
たとえば、ナベに水を入れてコンロに置き、温度計で測定します。
そのときに、「98℃で止める」ということや「90℃で3分間保持する」というような事を行います。
これは、製品の温度をコントロールするために熱処理炉の温度設定や操作をどのようにするかという理解に繋がります。
また、これをサラダ油にしてみると非常に面白いです。もし今までに油を温めた事がない人ですと、うまくできないと思います。
弊社の大型炉にアルミ製品を満載で入れると、それなりに温度コントロールが難しくなります。
火加減は目標温度に達してから調整すると遅くなります。タイミング的には「早め」で行う必要があります。
それらを経験するために、水と温度計を使って社内研修を行うのは手軽に短時間で出来るので便利です。
アルミニウム熱処理のプロフェッショナルな全メンバーで、みなさまからのご依頼をお待ちしております。
2021.01.20
アルミ熱処理の実体温度測定について
アルミニウムの熱処理において、実際の製品の温度を測定するために実体温度測定というものを行うことがあります。
熱電対と呼ばれる温度センサーを製品に直接つなぐことで、熱処理中の製品自体の温度を測定・記録します。
通常は製品に穴を空けて、温度センサーを差し込むだけでいいのですが、薄板などの場合には差し込むことが出来ないため穴を空けてリベットなどを使用し固定することもあります。
取り付けた温度センサーの先端部分が空気に触れている状態ですと、炉内の空気の温度を測定していることになってしまいますので、工夫をして取り付けをします。
大きな製品では、何箇所も測定することがあります。
また、小さな製品で1回の処理数が多い場合などは、温度のバラツキを確認するために12点ぐらいの場所を選んで測定を行います。
測定場所、測定数についてはお客様とご相談させていただいております。
アルミニウムの熱処理についてのご質問等は、いつでもお受けしておりますので、お気軽にご連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

