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アニール処理と焼鈍処理

2025.03.12
アニール処理と焼鈍処理

最近、アニール処理と焼鈍処理についてのお問合せやご依頼が増えております。

図面にアニール処理と記載されている場合は、焼鈍処理(焼きなまし)かT5処理のどちらかの処理になります。

焼鈍処理(焼きなまし)とも言われております。材質にもよりますが、345℃~415℃くらいの温度で熱処理を行います。熱処理をする事で硬さが柔らかくなり、応力除去もされます。応力除去や加工前に製品を柔らかくして加工しやすくするなどの目的で熱処理を行います。

T5処理は、応力除去や歪みの除去だけを目的として行います。硬さはほぼ変わりません。材質にもよりますが、T5処理は200℃前後の低めの処理温度になります。

焼鈍処理の事を「アニール処理」と呼ばれる場合がある為、弊社ではお問合せやご依頼をいただいた場合、目的や焼鈍処理かT5処理かの確認をさせていただいております。指定の温度条件がある場合には、その温度条件で熱処理させていただきます。

熱処理前と熱処理後の硬さ測定なども対応させていただいておりますので、ご要望などございましたらご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。

(記事作成 堀越)

 

 

 

2025.03.05
熱処理条件をAIで調べる

最近はAIの進化が凄いですね。アルミニウムの熱処理に関しては、JISの規格に無い熱処理に関しても回答を得られたりします。

1年ぐらい前だったか、ChatGPTを使い始めた頃は情報が古かったり間違っている事も多かったのですが、最近はAIの競争が激しいためか正確な情報が得られるようになってきました。

MicrosoftのCopilot、GoogleのGeminiの他にもPerplexityやClaude、最近はX(Twitter)のGrokも出ましたし、画像生成やキャッチコピー、表の作成やブレインストーミングなども出来るようになっています。

ただ、例えばアルミニウムの熱処理で言えば、一般的に知られていないノウハウもありますので、今のところはすべての情報が得られるということでは無いと思います。

アルミニウムの熱処理についての研究論文もたくさんありますが、現場で色々な実験をしたり、ふとしたアイディアで行ったものなどは、その情報をインターネットでオープンにしない限りは独自ノウハウとして残ります。

職人さんの力量なども、かなりデータ化や機械化されてきているとは思いますが、それが難しい分野もあると思います。

ただ、一般的に入手可能な情報についてはAIの出現で飛躍的に精度が上がったと感じています。

例えば「A6061のT6の温度条件と、注意するポイントは?}というようなプロンプトを入れてみて、どのような回答を得られるのかも非常に興味深いです。ちなみに、T6の温度条件については「実体温度」と「雰囲気温度」とで分けて考えた方が良い場合の方が多いので、それについて回答してもらえるAIが出てくるようになると素晴らしいと思います。

アルミ熱処理について、AIに聞いても回答に満足を得られない場合には、お気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

(記事作成:森)

2025.02.26
溶体化処理における強制空冷

アルミニウムの熱処理で溶体化処理というと、水冷(温水)での冷却が一般的です。

しかし、製品の形状などによっては、変形や割れなどが発生する場合があります。

大きな変形や、製品割れなどが発生しそうな場合には、水冷ではなく空冷を選択する事もあります。

弊社の場合は、熱処理用のバスケットや網パレットの中に製品をセットし、熱処理をおこなうバッチ式の炉ですので、製品はすべてバスケットや網パレットの中にあります。

空冷の場合は、ブロアーを使用し製品の入っているバスケットに直接風を当てて冷却します。

また、お客様の依頼で冷却中の製品の温度を確認する為に、実体温度測定をおこなう事もあります。

空冷は水冷に比べて変形は少なくなりますが、製品の硬さは水冷にと比較すると柔らかめになりますので、製品の使用目的や規格にあわせた冷却方法を選ぶ必要があります。

アルミニウム熱処理で、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

宜しくお願いいたします。

(記事作成 横田)

2025.02.19
お客様が来社されました。

おかげ様で、ここの所、多くのお客様からお問合せをいただいております。感謝しております。

先日、群馬県前橋市にある鋳造会社様からお問合せをいただきました。アルミニウムの熱処理についてのご相談と実際の製品を持って、工場見学を兼ねて来社されました。とても複雑な形状の製品をとても素晴らしい技術で製品をお作りになっておられて驚きました。そして、試作品を熱処理させていただく事になりました。弊社では、よく熱処理を行っている材質でしたが、そのような製造方法で複雑な形状の製品の熱処理を行った事が無かったので、とても興味深く、今後の熱処理の参考になりました。

毎日、たくさんのお客様の様々なアルミニウム製品を熱処理させていただいておりますが、様々なお客様にお話を聞くとまだまだ勉強不足だな。と痛感します。これからも、もっとアルミニウム熱処理についてスキルアップしていきたいと思います。

アルミニウム熱処理について、わからない事やお困りな事などがございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。

(記事作成 堀越)

2025.02.12
昇温時間について

アルミニウムの熱処理を行うときに、昇温時間はどれぐらいかを質問される時があります。

だいたい、1時間半から2時間半ぐらいが多いのですが、小さなものを熱処理する場合には、炉が温まっているときなどは30分ぐらいで設定温度に到達することがあります。

アルミニウムは、それぞれの合金によって設定温度が違いますが、その温度に到達してから保持をすることで効果が出ます。

それなので、その温度に到達していない状況ですと、何時間温めていても変化はありません。

理論的には昇温時間は短くても長くても問題はありません。

ただ、炉の中に入っている品物が多いときには、中の方が温まりにくいという事があります。

そのため、もしもすぐに温度を上げようとすると、外側が目的の温度に達しても内部が温まっていない状況になってしまいます。

その対策としては、ゆっくりと温めていくことになります。

昇温時間がゆっくりだと、外側と内側の温度差が少なくなります。

しかし、あまり昇温時間を長くしてもコストの問題が出てきますので、実態(実体)測定を行った結果から考えても、だいたい1時間半から2時間半ぐらいで目的の温度に到達するスピードがちょうどよいということになりました。このときの温度は雰囲気での測温になります。

それを実現するために、温度制御のコントローラで設定をして熱処理を行っています。

昇温時間や保持時間に関するご質問等がございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。

よろしくお願い致します。