2020.11.04
保持時間の異なる試作品について
アルミニウム製品の試作で、異なる温度や時間での熱処理の依頼があります。
試作で熱処理の温度を変えて行う場合には、1個や5個など少数の場合があります。
温度が決定した場合の試作は、実際に製品にしたり各種の試験をする必要から数百個単位の場合もありますが、温度を決める場合には少ない事があります。
ある程度の温度と保持時間は規格で決まっているのですが、例えば「変形の心配から温度を低くしたい」というときは複数の温度条件、「過時効を行ったときの硬さを知りたい」というときには複数の保持時間でテストします。
また、溶体化処理での変形を調べるために保持時間を変えることもあります。
そのような場合に、温度が違うときには一緒に熱処理を行うことは出来ませんが、保持時間が異なる場合には一緒に炉に入れて、途中で取り出すことも可能です。
溶体化処理の場合には、蓋を開けると温度が下がるために少し工夫が必要ですが、人工時効硬化処理の場合には蓋を開けても影響はあまりありません。
そのようにするメリットは、次のようになります。
1.試作費用を安くできる。(熱処理の回数が少ないため。)
2.早く結果を知ることが出来る。
もちろん、ひとつひとつをきちんと熱処理してデータを取ることが理想ですので、これは選択肢のひとつになります。
熱処理の方法などでご要望がございましたら、出来る限りそれを実現できるようにと考えておりますので、お気軽にご相談をいただければ幸いです。
2020.10.28
矯正作業の説明動画をアップしました。
A6061の角材の矯正についての実例です。
短い時間の動画です。現場にあるiPadで撮影して編集しました。
2020.10.21
実体温度測定について
弊社では、アルミニウムの熱処理をおこなっておりますが、量産前には実体温度測定をおこないます。
例えば、雰囲気温度で500℃で5時間と電気炉を設定しますと炉内の温度が500℃に達してから5時間保持します。
この場合、炉内温度分布にはバラツキがありますので、雰囲気温度が500℃に達した時点でも実際の製品の温度はまだ400℃だったりする事もあります。
実際の熱処理では、製品の温度管理とても重要ですので雰囲気温度よりも実体温度を中心に考えていきます。
実体温度測定は、製品に熱電対を取り付けて熱処理をおこない炉内の製品の温度がどのようになっているかを調べます。
製品の形状や詰め方にもよりますが、だいたい500℃に達するまでに炉の中の場所によって1時間から2時間くらいの時間差があります。
その為、実体で500℃で5時間保持という場合には電気炉の保持時間を6時間から7時間で設定する事になります。
もちろん、弊社だけで熱処理条件を決めるのではなくお客様の要望を第一にしております。
アルミニウムの熱処理について、ご相談等がありましたらいつでもお気軽にご連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
2020.10.14
フォークリフトが新しくなりました。
7月にブログに書かせていただきましたが、弊社の第一工場で使用していたフォークリフト2台を買い替えました。長年、使用していたのであちこち修理が必要になってしまい、イスのシートはボロボロになり、あちこち傷だらけでした。弊社では、フォークリフトを使用しないと仕事になりません。スタッフ全員が免許を取得しております。ボロボロになりながらも毎日、働いてくれた2台のフォークリフトには感謝しております。
9月29日に待ちに待った新車2台が納車しました。今までと同じエンジンフォークとバッテリーフォークです。今までのエンジンフォークはマニュアルでしたが、もうマニュアルは製造していないと言われたので、2台ともオートマです。ピカピカなので乗るのに緊張してしまいました。今まで以上に安全運転を心掛けて使用するようになりました。
アルミニウム熱処理で何かございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
2020.10.07
A6061の角材の矯正
先日、A6061の角材のT6矯正のご依頼がありました。
長さは約3メートルです。
入荷時のチェックをすると若干のスキマがありました。スキマを1ミリ以内にして欲しいと言うことで、T6処理と矯正を行うことになりました。
このような状態からハンマーで1本ずつ丁寧に叩いて矯正を行います。
スキマゲージを使って確認し、その後は人工時効硬化処理を行い、硬度の確認をして品質の合否を確認します。
出荷前に再び定盤の上に置いてチェックをして合格品となりました。
これは初めての製品でしたが、色々な形状のアルミ製品を扱っております。
熱処理や矯正など、事前の相談も承っております。お気軽にお問い合わせをいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。





