2012.10.04
ブリネル硬さ試験について
アルミニウムの熱処理において、硬さを測定する方法のひとつに「ブリネル硬さ試験」というものがあります。口頭で話をするときには「ブリネルで測定します。」等に略されることもあります。
ブリネル硬さの測定にはいくつか種類がありますが、アルミ熱処理の場合には10ミリの硬球を500kgの重さで試料に押し付けて、そのくぼみの大きさから硬さを判断する方法が一般的です。
たまにご質問を受けるのですが、
「硬球を押し付けている時間はどのくらいですか?」
というものがあります。
JISの規格を見ますと、Z2243:2008では、硬球を押し付ける時間と保持する時間が規定されています。
硬球を押し付ける時間についての記述は、
「力を加え始めてから規定の試験力に達するまでの時間は2?8秒とする。」
となっています。
速く行うと1秒ぐらいで押し付けることもできますが、どちらかというとゆっくりの方が正確に出やすいのではないかと思います。
そして、
「この試験力を10?15秒保持する。」
とあります。
また、
「一部の試料(試験片)には、これより長い保持時間が採用される場合があるが、その場合の許容誤差は±2秒とする。」
となっています。
つまり、通常は10?15秒で、必要に応じて社内規格で決める場合には、15秒よりも長くすることと、決められた時間に対して±2秒の許容誤差で行うということになります。
硬さ測定の作業としては、まずは測定する面を少し削って綺麗にしてからブリネル試験機で測定し、そのあとで拡大鏡で大きさを確認して記録する手順になります。
測定する面を削るのは、拡大鏡で見た時に表面が粗いと正確な数値を出すことが難しくなるためです。
また、
「周囲温度10?35℃の範囲内で行う。管理条件下で行う試験の場合は、23±5℃の温度で行う。」
とあります。製品自体の温度については、熱処理直後は温度が上がっていますので、温度が下がってから測定を行います。温度が高いと柔らかめに測定される傾向があります。
特にご指定がなければ、アルミ熱処理のブリネル硬さ試験についてはJISの規格で行いますが、それ以外でも、色々な社内規格などに沿うような試験も行なっております。
ご質問やご要望等がございましたら、いつでもお気軽にご連絡をいただければ幸いです。