2024.09.11
変色の原因について
アルミニウムの熱処理で表面が黒くなる原因についてのお問い合わせがありました。
すでに回答はしておりますが、ここに掲載することにいたしました。
変色の原因は、主に4つあります。
1.鋳造品における離型剤の残りの影響
2.鋳物製品を屋外等で放置して雨に濡れた場合
3.鋳物(低圧鋳造を含む)の熱処理で人工時効硬化処理後に表面が黒っぽくなる場合がある
4.溶体化処理を2回以上行った場合
上記の他にも原因はあると思いますが、とりあえず代表的なものです。
3の人工時効硬化処理後に表面が黒っぽくなる、あるいは表面がくすんだ感じになる件については、弊社の独自の方法で軽減できる場合がありますのでご相談をいただければと思います。
アルミニウムの熱処理について、何かご質問等がございましたらご連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
(記事作成:森)
2024.09.04
矯正作業について
アルミニウムの熱処理は、形状や材質により変形が発生する場合があります。
熱処理による変形や、鋳造時の反りなどを公差内に修正することを、矯正と言います。
歪み取りや、くるい取りなどと呼ばれることもあります。
アルミ熱処理では、T6処理の場合は溶体化処理の水冷却後すぐにハンマーや油圧機器を使用して矯正作業をおこないます。
弊社では、T6品の矯正は水冷却後4時間以内に矯正作業を終らせるように作業予定を立てます。
それ以上時間が経過してしまうと、硬さが増して作業がやりにくいだけでなく、製品が割れてしまう場合があるからです。
その為、矯正品が多い場合は午前・午後に分けて矯正作業が重ならないように熱処理炉の予定を立てます。
お客様によって、矯正作業に立ち合いたいなどの要望があった場合には、お客様の来社される時間に合わせて水冷却をおこない最初から作業を見ていただくこともよくあります。
アルミ熱処理について、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
(記事作成 横田)
2024.08.28
硬さ測定についてのお問合せ
アルミニウムの熱処理を行った後、決められた温度と時間で熱処理されているかをチャート紙(温度記録用紙)で確認をし、実際に製品の硬さを測定し合否判断を行っております。
弊社では、ロックウェル試験機(HRB)とブリネル試験機(HB)の硬さ試験機を使用し測定を行っております。
お客様によっては、「加工済みで製品に測定痕がついては困る。」と言われる事があります。その場合には、製品と同じ材質のテストピースを一緒に熱処理し測定を行っております。また、「熱処理前と熱処理後の硬さ測定をして欲しい。」と言われるお客様も多くおります。測定方法や測定場所など事前にお客様に確認させていただいております。
弊社は、アルミニウムの熱処理メーカーですが、お問合せやお取引先のお客様から硬さ測定のみのご依頼や相談をされる場合もございます。
「他社で熱処理したが不安なロットがあるので硬さ測定して欲しい。」
「保管していた製品が生材か熱処理済みか不明なので硬さが知りたい。」
「熱処理済みの材料を購入したが、本当に熱処理してあるのかわからない。」
など様々なご相談をいただく事がございます。試験場などに持ち込めば測定する事も可能ですが、近場のお客様は製品を持って測定にいらっしゃる場合がございます。弊社では、お客様からのご要望に出来る限り対応していきたいと思っております。
アルミニウムの熱処理でお困り事などございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)
2024.08.21
熱処理記録のバックアップについて
アルミニウムの熱処理を行う場合、熱処理の温度と時間を記録しています。
通常は記録計でチャート紙と呼ばれる紙に自動的に記録されます。
ただ、万が一の故障や停電のときに炉内の温度状況がわかるようになっていないと、製品への影響がわかりません。
それなので、通常の熱処理の管理に使っているものとは違う配線で、独立して温度と時間を記録するようにしています。
それについては、すべてデジタルで記録しています。炉の制御は3点測定ですが、バックアップ用の測定は1点です。
工場内のすべての電気炉の温度と時間を常時記録しています。
それについて、動画を作成いたしました。
アルミ熱処理についてのご質問はいつでも承っておりますので、お気軽にご連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
(記事作成:森)
2024.08.07
小丸炉での熱処理について
ここ最近、ほぼ毎日のように、小丸炉での熱処理をおこなっております。第二工場にある弊社の炉の中で一番小さな炉です。
小丸炉の有効寸法はΦ850×1,350㎜です。使用する治具(バスケット)の寸法は、Φ760×620㎜×2段。製品の形状にもよりますが約300kgまでの熱処理が可能です。
小丸炉ではT6処理はもちろん、T5・アニール・焼鈍処理が可能で主に、小さな製品や試作品での少量の処理をおこなっております。
熱処理費用も大型丸炉に比べて約半額程度で出来ます。
数量が少ない場合には、空気を温めることになってしますのでもったいないですが、小さな製品1個でも熱処理が可能です。
また小丸炉では使用する水槽も小さいので、ヒーターで温めるスピードも速い為、高めの水温にも対応可能です。
「熱処理をしてみたいけど、1個か2個しかない」などという場合などございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成 横田)