2013.02.14
アルミ熱処理の調質記号について
アルミニウムの熱処理については、JIS規格で用いられる「調質記号」によって表記されます。(JISH0001)
F:製造のままのもの
O:焼なまししたもの
H:加工硬化したもの
W:溶体化処理したもの
T:熱処理によってF・O・H以外の安定な質別にしたもの
製品について、その質別を指す言葉で「F材」{O材」などという場合があります。
また、H3やT6など、細分記号というもので更に細かく分類されています。
今回は詳細な説明は省略いたしますが、T4とWの違いについて少し説明いたします。
Wについては、「溶体化処理後常温で自然時効する合金だけに適用する不安定な質別」となります。
T4は、「溶体化処理後自然時効させたもの:溶体化処理後冷間加工を行わず、十分に安定な状態まで自然時効させたもの。」です。
溶体化処理後に常温で置いておくという点では同じなのですが、Wは溶体化処理を行っただけで目的は無く、T4は自然時効により目的を達成するという積極的な意味合いがあります。例えば、A6061の板のT4は溶体化処理後に「室温96時間以上」という規格になります。
つまり、Wは不安定な状態、T4は安定した状態、と見なすことができます。
ちなみに、T4もT41やT4510などに細分されています。
アルミニウムの調質について、何か疑問等がございましたら、お気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。