2013.03.21
雰囲気温度について
「雰囲気(ふんいき)温度」という言葉は、普段はあまり馴染みがないかもしれません。
銅やステンレスのロウ付で「水素還元処理」という言葉が使われたりしますが、普通に温度を上げると酸化して黒くなってしまう金属に対して、酸素が無い状態で熱処理を行うために窒素ガスや水素ガスを入れたり、真空炉を使用したりします。
弊社で行なっているアルミニウムの熱処理は酸化の問題はありませんので、特にガスを使用せずに普通の大気中で行なっています。
炉の中がどのような状態かを表す言葉として、「水素雰囲気」や「窒素雰囲気」という言葉を使います。
また、話は少し変わりますが、炉の中で加熱された製品の温度を詳しく知るために、製品に温度センサー(熱電対)を取り付けて測定することがあります。それは、「実体温度測定」や「実態温度測定」と呼ばれています。
アルミニウム製品に直径2~3ミリの穴をあけて、そこに熱電対(ねつでんつい)を差し込むことで、製品自体の温度を直接測ることができます。
熱処理の温度を測定するときに、熱処理炉の中の空気の温度を「雰囲気温度」、製品の温度を「実体(実態)温度」と呼びます。
例えば、炉の中にアルミ製品を入れて加熱したとき、雰囲気温度が500℃になっても製品はまだ400℃だったりします。実際の熱処理は製品の温度が重要ですので、雰囲気温度よりも実体(実態)温度を中心に考えます。
雰囲気温度が500℃達して5時間保持して取り出したと仮定した場合、炉の中のアルミ製品の量にもよりますが、製品自体は500℃の3時間保持された状態だったりします。
300kgの量が入る炉に1kgの製品1個を入れただけのときには雰囲気温度と実体(実態)温度は、ほぼ同じですが、300kgを入れた時には製品の加熱は遅れます。
アルミ熱処理の温度設定等は、弊社のノウハウで色々な経験を活かして行なっております。
ご質問等がございましたら、いつでも御連絡をいただければ幸いです。