2013.05.16
熱電対について
弊社のアルミニウムの熱処理は、1番高い温度で535℃ぐらいになります。
その温度を測定するセンサーは、熱電対(ねつでんつい)と呼ばれているものを使用します。気温を測る通常の室温用の温度計とは違って、電気的な信号により正確な温度を測定する仕組みです。
主な原理は、材質の異なる2本の金属線(非金属の場合もあります。)の両端を接続し、両端の接続点が違う温度になったときに電気が流れるという法則を利用していて、その種類も色々とあります。
片側の接点を炉の中に入れ、もう片方に電圧計を接続して熱起電力を測定することで接点の部分の温度を推定します。
アルミ熱処理の温度範囲ですと、通常は「K」という種類の熱電対を使用します。線の太さによりますが、規格では1,200℃まで使用できることになっています。
そして、その許容差は、例えばクラス2(旧階級0.75級)の場合は
-40℃以上 333℃未満 許容差 ±2.5℃
333℃以上 1,200℃未満 許容差 ±0.0075・|t|
となっています。(JIS C1602)
「許容差は熱起電力を基準熱起電力表によって換算した温度から温度接点の温度を引いた値の許される最大限度をいう」と定義され、|t|は、測定温度の絶対値となっています。
実際的には、炉内の温度を測定して、その結果によりヒーターの出力調整を行いながら記録している重要な部分が熱電対です。
許容差の範囲で測定結果にバラツキが発生しますが、アルミニウムの熱処理では特に問題は無いレベルとされています。
熱処理についてのご質問等がございましたら、いつでもお気軽にご連絡をいただければ幸いです。