2013.07.11
アルミ熱処理の硬さ測定の製品温度について
アルミニウムの熱処理を行った後、通常は硬さの試験を行います。一部、硬さ測定を行わない製品もありますが、通常は弊社で硬さ試験を行い、その成績データを添付して納品させていただいています。
その硬さ試験ですが、朝に持ち込んで夕方に受け取りたいという場合などに取りに来ていただくこともありますが、製品(ワーク)の温度が十分に冷めないと正確な硬さ測定が出来ませんので、お待ちいただく場合があります。
「JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験-試験方法」によりますと、
「7.1 試験は通常、周囲温度10~35℃の範囲内で行う。管理条件下で行う試験の場合は、23±5℃の温度で行う。」
とあります。ここでは、製品自体の温度の規定はありません。ただ、試験報告書のところにこのような記述があります。
「9 c) 試験温度(10~35℃以外の場合)」
ここではどの温度についてかは記述されていません。通常は、周囲温度の範囲と製品の温度はほぼ同じようなものと考えて良いと思います。実際、温度が高いときには柔らかめの測定結果になります。
ロックウェル試験の場合は、「JIS Z 2245」で規定されています。
「7.1 一般に、試験温度は10~35℃の範囲内とする。試験結果は、温度によって影響を受けるため、ロックウェル硬さ試験の使用者は、更に狭い範囲の温度管理を選択してもよい。」
となっています。更に、注記として
「試験材料の温度及び試験機の温度が、試験結果に影響する場合がある。使用者は、試験温度を試験結果に影響を及ぼさないように試験温度範囲を設定することが望ましい。」
とあります。硬さ試験を行う場合には、試験の温度についても注意を払う必要があります。
弊社は、アルミニウムの熱処理についての御質問等も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせをいただければと思います。