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歪(ひずみ)取りと応力除去について

2013.07.18
歪(ひずみ)取りと応力除去について

金属熱処理では、「応力除去焼鈍(おうりょくじょきょ しょうどん)」や「歪み取り焼鈍(ひずみとりしょうどん)」という言葉が一般的に使われますが、アルミニウムの熱処理の場合は、それだけだとどのような熱処理かハッキリしない場合があります。

「焼鈍(しょうどん)」は「焼きなまし」とも言われ、硬さが柔らかくなります。そのときに応力も除去されるので、歪取りという表現も可能です。

しかし、「応力除去」や「歪取り」だけを目的とした場合、硬さが変わらずに応力除去を行う熱処理もあります。それはアルミ熱処理では「T5」と言われていますが、「アニール処理」と呼ばれることもあります。「アニール処理」を焼きなましという意味で使用する場合もあるので注意は必要です。

また、「T5」は本来は「人工時効硬化処理」ですので、その名前の通り「硬化」する場合もあります。ただ、ほとんど硬くなることは無く、硬くなったとしても少しだけです。鋳造したときに急冷に近い工程だった場合に、その程度によって硬くなる場合があるようです。

アルミニウムの熱処理の場合、応力除去が目的であれば200℃~300℃程度、焼なましが目的であれば345℃~415℃ぐらいの温度で熱処理をします。材質や形状、1回の熱処理量によって温度や炉の保持時間の設定が変わってきます。

そして、「歪み取り」として、熱処理だけでなく直接ハンマーで叩いて矯正する製品もあります。それは、内部応力ではなく外形の寸法としての歪みを矯正する方法です。それはT6、T5、T4などの熱処理をするときに必要に応じて行います。

その場合は、寸法や叩く場所などを事前にご相談させていただいています。

弊社はアルミニウムの熱処理の専門メーカーですので、ご不明な点などありましたらいつでもご連絡をいただければと思います。

よろしくお願いいたします。