2013.09.26
溶体化処理の水冷について
アルミニウム合金の溶体化処理は、加熱することで例えばCu(銅)などを均一に溶けこませた状態で一気に冷却する熱処理です。
加熱されることによってアルミニウムの結晶格子にCuなどの添加原子が入り込んだ状態になったときに急冷すると、その状態を維持することができます。そして、それは固溶体と呼ばれますが、その状態で時効処理を行うことで化合物が析出されます。
つまり、溶体化処理は「温度」と「保持時間」、そして「急冷」ということがとても大事になります。
急冷するときには、通常は「水」を使いますが、水の量が少ないと急冷にならない場合があるので注意が必要です。
また、製品の積み重ね方によっては内部まで水がまわらないために急冷にならない場合もあります。
溶体化処理で加熱するときには内部の温度分布に注意し、冷却するときには内部まで水がスムーズに行っているかを注意します。
実際には、製品に直接熱電対(温度センサー)を取り付けて状況を確認します。
弊社では、そのような確認試験も行い、溶体化処理の温度管理だけなく、水冷時の冷却に関しても考慮しながら熱処理を行っております。