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昇温時間と保持時間について

2014.03.20
昇温時間と保持時間について

アルミニウムだけではなく、他の熱処理についても同様ですが、

「昇温時間+保持時間=加熱時間」

ということが言えます。

昇温時間というのは、例えば500℃で熱処理を行う場合に、500℃に到達するまでの時間です。

保持時間というのは、500℃で5時間保持する場合に、500℃に達してからその温度でキープを続けた時間です。

表記としては、500℃×5Hとしています。また、公差は一般的には±5℃ですので、500±5℃×5Hとする場合もあります。

連続炉と違ってバッチ式の炉の場合には、加熱された製品を炉から取り出した後に別の製品を入れます。

そのため、すでに炉が充分に暖まっているところに製品を入れることになりますので、製品を入れた時の炉内温度は300℃前後ぐらいになり、そこから更に加熱します。

それと違う場合で、炉の温度が上がっていない場合には室温から加熱することになります。

前者の場合には500℃に到達する時間が早くなり、後者の場合には遅くなります。

熱処理の場合、「保持時間」は常に一定ですが、「昇温時間」は状況によって変化します。そのため、トータルの「加熱時間」も変わります。

昇温時間の変化による製品への影響ですが、例えば水をゆっくりと冷やしても早く冷やしても0℃以下にならないと氷になりません。(気圧等は考慮しない場合)

極端な話、500℃±5℃の場合に400℃の温度で保持を行っても硬さが出ないということになります。480℃ぐらいでしたら鋳物であれば硬さは出そうですが。

そのようなわけで、昇温時間が変わっても製品への影響はありません。重要なのは保持時間となります。

アルミ熱処理で不明な点などございましたら、いつでもご相談をしていただければと思います。

よろしくお願いいたします。