2014.10.09
水槽の写真
この写真は、アルミ熱処理の冷却用の水槽です。水を抜いて掃除をしたときに写真を撮りました。
写っているバスケットは、直径約1,200ミリ、高さ約1,500ミリです。
写真の奥に位置するのが大型の電気炉で、そこで加熱されたものも冷却するために大きな寸法になっています。
ある程度の水の量が無いと、加熱されたバスケットを入れた時に水温がすぐに上昇してしまい、上部と下部での冷却スタートの温度の違いが大きくなってしまいます。製品のバラツキを避けるためにも、水は多い方が良いのですが、他にも色々な理由があります。社外秘のノウハウの部分もありますが、水槽の水は多い方が良い熱処理ができます。
水温は、だいたい50℃前後ですが、やはりこれだけの水の量がありますと50℃を維持するのはけっこう大変です。
水の温度を上げるときには、水中用のシーズヒーターを何本も使って温めます。
この辺は、「見えないコスト」といいますか、意外に費用がかかる点です。ブルーシートを水面に浮かべるなど、温度が下がらない工夫も行っています。
温度が上がりすぎた場合には、水を加えて冷まします。製品によっては、水温が低い方が良い場合があります。
同じアルミニウム合金でも、鋳物や鍛造品などで合金の種類が異なり、熱処理の温度や保持時間、水冷温度なども異なります。
バスケットへの詰め方などの工夫も必要ですので、それぞれの製品ごとに最適な熱処理を行います。
熱処理方法については、こちらで全部決めることもありますし、打合せをしながら決めることもあります。
事前の見学も可能です。
その他、アルミの熱処理に関してのご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。