2015.09.30
規格外の熱処理について
通常、アルミニウム合金を熱処理するときの温度は規格として決まっているものがあります。
それは、素材の研究や製品として活用した結果として最適なものとして定義されていると思います。
しかし、実際に熱処理を行っていると、必ずしも規格通りでやらなくてはいけないということではないということもわかってきます。
例えば、長年熱処理を行ってきたメーカー様に行って実体(実態)測定を行うと製品の温度が炉内の温度よりも10℃以上低かったり、保持時間が設定よりも短かったり長かったりしている場合があります。
それでも、製品として正常に使われているという実績を考えますと、設定温度や保持時間は必ずしも規格通りで無くても大丈夫なこともあると言えると思います。
「規格通り」というのは、後で何かあったときに困らないということもありますし、社内で実験をして結論を出すというプロセスを省くこともできます。
もちろん、メーカー様によっては規格の近辺の温度と時間をいくつも実験して結論を出されています。それでも、規格の温度と時間の近辺を中心に行いますので、やはり規格は大事です。
ここであえてこのことに触れるのは、「コストダウン」についてです。
焼鈍やT5処理、場合によってはT6処理などで保持時間を1~2時間短くすることによるコストダウンが可能かどうかを相談される場合があります。
そのときには、まずは実際にそれをやってみて、その後に機械的性質を調べてみたりして結論を出すことになります。
規格外の熱処理など、色々な方法を自由にトライしてみたいという場合にも、ぜひご連絡をいただければと思います。
それ以外にも、色々なご相談もお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。