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変則的な熱処理について

2018.09.12
変則的な熱処理について

アルミ熱処理で、いくつか異なった条件でサンプルのテストを行うときがあります。

例えば、500℃で溶体化処理を行い、時効硬化処理の温度や時間を変えたい場合です。

160℃✕4時間
160℃✕6時間
180℃✕4時間
180℃✕6時間

このような場合、溶体化処理から時効硬化処理までの時間が空いてしまうと困る場合でなければ、溶体化処理は一緒に行い、時効硬化処理は別々に行う方法があります。

また、そのときに、160℃で2つのサンプルを同時に入れて、4時間後にひとつだけ取り出して、残りの6時間保持のものは後から取り出すこともできます。

厳密な熱処理にはなりませんが、製品の仕上げの参考になるのでこのような方法を取るお客様もいらっしゃいます。

炉の蓋を開けてひとつだけ製品を取り出す場合には、あらかじめ長く入れるサンプルは炉の奥に熱が冷めにくいような方法で置くようにします。

炉の蓋を開けた場合、炉内の空気は少し冷めますが、製品がすぐに冷めることはありません。そのまま保持を続けても大丈夫です。

これは、製品の数量が多かったり品物が大きいほうが安定します。

このような熱処理を行うメリットは、サンプルの熱処理の結果を早く知ることが出来ることと、熱処理の費用を安くできることです。

この実験のデータを元に正式な熱処理の温度と時間を検討する場合がありますが、サンプルの数量を増やした次の試験でも問題なく実験の通りの品質が再現されます。

他にも色々な工夫をしながら試作品のトライや量産向けの熱処理の考案なども行っております。

ご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。