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人工時効硬化処理、焼戻し、焼きなましの違いについて

2019.01.16
人工時効硬化処理、焼戻し、焼きなましの違いについて

人工時効硬化処理、焼戻し、焼きなましの違いについてですが、熱処理に関しては温度と時間が異なっていて、その目的に応じたものになります。

アルミニウムの熱処理は鉄などの熱処理と内容が少し異なるのですが、目的が同じ場合には用語も同様になっています。

まず、人工時効硬化処理は、その名の通りで人工的に硬化させる処理です。これは、溶体化処理で500℃付近で保持してから急冷した製品を200℃付近で再度加熱することで過飽和に溶け込んだ元素を人工的に析出させます。

これによってアルミニウム合金の硬さを増すことが出来ます。

次は焼戻しです。

鋳造したアルミ製品は、組織的には不安定になっています。それを200℃あたりまで加熱して保持することで内部の状態を安定させるようにします。

鋳造したものや加工を行ったものには残留応力があり、その応力を開放させる熱処理です。

「ひずみ取り」とも言われるように、応力が無くなり組織が安定するときには製品の寸法が変化します。熱処理をしないまま加工すると時間が経過したり熱が加わったときに変形してしうので、先に変形させてから切削などの加工を行うことで、その後の寸法変化を抑えます。

基本的には硬さは熱処理前と同じです。

そして焼きなましです。

焼きなましは300℃以上の熱を加えることにより硬さを柔らかくします。鍛造する前や、パイプの曲げ加工の前に行ったりします。

結果的にはひずみも取れますので「ひずみ取り」と呼ぶ場合もあります。

この場合には熱処理後に硬さは柔らかくなります。

この3種類の熱処理は、結果として硬さが違ってきます。そのため、それぞれの目的によって選択します。

また、合金に含まれている成分によって出来るものとできないものがあったり、温度条件が異なったりします。

アルミ合金の種類と熱処理の目的によって色々なやり方がありますので、詳細についてはお問い合わせをいただければご相談させていただきます。

よろしくお願いいたします。