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T7処理について

2020.01.15
T7処理について

アルミニウムの熱処理は、「質別」という名称で「どのような熱処理を行ったか」という区分があります。

T1からT10までの質別記号があり、有名なのはT6で溶体化処理を指すものです。厳密には「溶体化処理後、人工時効硬化処理したもの」という定義になっています。

その中で、今回はT7について解説します。

T7は「溶体化処理後、安定化処理したもの」という定義になっています。

説明としては、

「強度をある程度犠牲にして、特別の性質を調整するために、最大強さを得る人工時効硬化処理条件を超えて過時効処理したもの」

となっています。

実際に行う熱処理は、溶体化処理後、つまり約500℃ぐらいから水の中に入れて急冷した後に、約200℃ぐらいでもう1度熱処理を行いますが、その時間を通常よりも保持するような熱処理になります。

約200℃ぐらいでの熱処理を「人工時効硬化処理」と呼びますが、アルミ合金ごとに決まった保持時間があります。その保持時間を超えても炉の中で熱を加え続けますと、「過時効」となって強度が下がります。

そして、その時間を調整して目的の状態になった頃に炉から取り出すのがT7と呼ばれる熱処理です。

人工時効硬化処理に関しては、「時効曲線」と呼ばれるグラフがあり、炉の中に長く入れておくと硬さのピークを過ぎて柔らかくなっていきます。

上記の説明の通り、「強度を犠牲にして」「最大強さの条件を超えて」という部分の説明がそれに該当します。

T7を行う時に、熱処理条件が決まっていないときには2~3時間の延長を行いますが、事前に打ち合わせをしたりテストを行いながら条件を見つけていくことになると思います。

そのようなご相談にも応じておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせをいただければと思います。

よろしくお願いいたします。