2021.01.06
昇温時間について
アルミニウムの熱処理を行う時に、昇温時間を気にされる事があります。
たとえば、目的の温度が500℃の場合に、そこに到達するために1時間以内とするか、あるいは5時間かかっても良いのかどうかというご質問をいただく事もあります。
その場合、たとえば氷を作る時には、水は0℃以下にならないと凍りません。0℃まで水の温度を下げていく時に、早く下げてもゆっくり下げても、変化は0℃から始まります。つまり、「変化点」というものがありますので、そこに到達するまでの時間は関係ありません。
ただ、製品のバラツキという点で考えたときには、ゆっくり温度を上げるほうが全体的に均一になっていきます。早く温度を上げるということは、その周りの空気の温度を高く設定するため、周囲の温度と中の温度の差が生まれます。
例えば、沸騰しているお湯の中に豆腐を入れたときには、周囲はすぐに温度が上がりますが中の方は冷たいままだったりします。
これを、水の中に入れてから沸騰させたときには、おそらく水が沸騰するころには外も中も同じような温度になっていると考えられます。
また、例えば熱処理の業者を変更するとか設備の変更があった時に、「以前とまったく同じ製品を作りたい」という場合には昇温時間をコントルールする場合もあります。
組織の面で何か微妙に違う場合もありますので、そのような考え方での熱処理を行う場合があります。
アルミニウムの熱処理に関しての疑問などがございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。