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熱処理の温度設定の基準について

2021.06.23
熱処理の温度設定の基準について

アルミニウムの熱処理に関して、材質ごとに推奨温度条件というものがあります。

一般的に入手できる資料では、たとえばA6061のT6処理は515~550℃と書かれていたりします。

これは、この温度の範囲であれば目的の硬さが得られるという温度になります。

また、時効硬化処理については170~180℃となっています。

熱処理をするときには交差も考えますので、温度設定としては175℃が良いのですが、実際には180℃に設定することが多くあります。

180℃で設定した場合に、実際の炉の中に入れている製品は170~180℃ぐらいになる感じです。

また、おそらく最初はアメリカの規格が日本に来たと思われます。

その規格で見るとA6061は529℃になっています。これは華氏(°F)で985°Fを換算したものです。

元々の規格には温度の巾は無く、1点で規格が定まっていたようです。

そう考えると、交差を考えても530℃あたりの温度設定にしても良さそうです。ただ、アルミニウム合金としては製品自体が柔らかくなってくる温度ですので変形の可能性があるため、温度の上昇には気をつける温度域になります。

ちなみに、時効硬化処理は350°Fで。177℃になります。日本の規格の170~180℃という範囲にも合っています。

アルミニウムの熱処理の文献は意外に少ないので、実際の経験によることも多くありますが、基本的にはこのような文献等も参考にしています。

アルミ熱処理についてのご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。