2025.06.18
実体(実態)測定の試験について
アルミニウムの熱処理を行うときに、実際に製品の温度がどうなっているのかを調査するために実体(実態)測定を行います。
通常の熱処理では、製品ではなく炉内の空気の温度を測定していますので、その炉内温度と製品の温度はずれが生じます。
たとえば、鍋に水を入れて豆腐を温める場合、お湯の温度と豆腐の温度が完全に一致しているかどうかを考えます。
水の中に豆腐を入れて、ゆっくりと温めていくと、水と豆腐の温度はだいたい同じになります。
しかし、強火で一気に加熱すると、水は沸騰していても豆腐の中心部は90℃ぐらいだったりします。
これは、豆腐を直接加熱するわけではなく、水を加熱することによって豆腐を温めていることが主な理由です。
これと同様に、アルミニウムの熱処理を行うときも、炉内の空気が先に温まって、そのあとで製品の温度が温まっていくということになります。
それなので、実際にアルミニウムの製品に穴を開けて、そこに熱電対を入れて製品の温度を測ります。
それによって、炉内の空気の温度との差を確認することが出来ます。
また、炉の中に入れた製品も、場所によっては温度が上がりにくい場所があるため、場所による温度のバラツキを確認します。
温度のバラツキについては、製品の詰め方を変えて対処します。長い時間をかけて熱処理を行えば均等になりますので、焼鈍など長時間の加熱でも問題がない製品はそれでも良いのですが、その場合にはランニングコストが上昇します。
アルミニウムの熱処理を行う場合には、高品質と同時にコストについても考慮しながら作業を進めています。
アルミ熱処理についてのご質問等は、いつでもお気軽にご連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成:森)