2025.09.10
製品や材料の切断について
アルミニウムの熱処理をおこなった後で、検査(硬さの測定)が形状的に困難な場合や、製品内部の硬さを測定したいときには、製品の切断をする場合があります。
弊社では主にバンドソーを使用し切断をおこなっていて、お客様の要望があれば材料の切断も可能です。
また、鋳物製品では熱処理をする前に湯口の切断を依頼されることもあります。
湯口の切断などは、バンドソーで切断した後に、ディスクグラインダーによる仕上げ作業も依頼されることもあります。
一般的には、湯口を切断した製品を熱処理し、その後に切削加工をする工程となりますが、弊社で行うこともあります。
また、正確な硬さを測定する為に硬さ試験機に入らない製品や、断面の硬さを測定する為に切断が必要となります。
その時には、製品を1~2個使用不能にしてしまう為、お客様とご相談し測定方法についてご提案させていただいております。
アルミニウムの熱処理についてご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成 横田)
2025.09.03
アルミニウム製品の昇温時間と保持時間
アルミニウム製品の熱処理時間は、昇温時間+保持時間=炉内で加熱している時間になります。
「225℃×5時間」のT5熱処理で例えます。
お問合せやご相談をいただく中には5時間後には熱処理が終わっている。と思われるお客様もいらっしゃいます。その為、5時間後に取りに行っていいかな?と言われる事もございます。
昇温時間とは、225℃に到達するまでの時間になります。
保持時間とは、225℃に達してからの設定時間(5時間)になります。
昇温時間は、製品の大きさや数量や詰め方などによって異なります。また、使用する炉の温度が温まっている場合は昇温時間が早くなり、冷めている場合は昇温時間が遅く(長く)なります。昇温時間は異なりますが、保持時間が一定であれば製品の品質には影響はございません。
処理温度・昇温時間・保持時間は、チャート紙で確認が出来ますので、お客様によっては、チャート紙を提出しておりますので、ご要望がある場合にはご相談していただければ幸いです。
アルミニウム製品の熱処理でお困りな事などございましたら、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)
2025.08.27
矯正作業のお見積について
アルミニウムの熱処理を行うときに、製品が変形する場合があります。
高温のために歪みが出る場合や、溶体化処理で水槽に入れて冷却するときなどに発生しやすくなります。
あるいは、アルミニウムを鋳造するときに変形する場合もあります。
そのようなときに、製品をハンマーで叩いて矯正します。
あらかじめ変形しそうな製品、あるいはすでに変形している製品を矯正するときにはあらかじめ御見積をさせていただいております。
ただ、実勢にやってみないとわからない事が多いため、御見積書については「概算」とさせていただいています。
特に大きな製品の場合には矯正が難しかったり、あるいは精度を出すことが難しい場合があります。
事前にそれらを考慮した上で御見積書を作成しますが、予想外に時間や手間がかかる場合には次回以降は単価を上げていただくお願いをさせていただいております。
熱処理のときに変形しないような工夫なども行いながら進めておりますので、それを含めて事前にご相談をさせていただければ幸いです。
アルミニウムの熱処理に関するお問い合わせはいつでも受け付けておりますので、お気軽にご連絡をいただければと思います。
よろしくお願い致します。
(記事担当:森)
2025.08.20
焼鈍処理の炉内冷却について
アルミニウム熱処理の焼鈍処理(焼なまし)は、材質にもよりますが約350℃から420℃ぐらいでおこないます。
目的としては硬さを軟らかくすることが主な目的で、その後に加工をおこなったりそのまま使用したりします。
例として、420℃に加熱して保持した後は、炉の中でだいたい260℃位になるまで冷ましてから取り出します。
製品によっては、炉内での冷却スピードも重要になりますが、目標とする硬さによっては炉の扉を少しだけ開けて熱を逃がして、少し早めに冷却しても大丈夫な場合もあります。
また、260℃に下がるまで待たずに、300℃位でサンプルとして1~2個取り出して硬さ測定をして、目的の硬さ(軟らかく)になっているようであれば炉からすべての製品を出して自然冷却する事もあります。
炉内冷却中の製品を取り出して硬さ測定するやり方の場合には、製品が暖かいときは軟らかめに測定値が出ますので注意が必要です。
このように色々な方法で熱処理をおこなうのは、やはり長時間の熱処理はコストと納期の問題で、熱処理時間が短縮出来れば費用も安くなるという理由です。
アルミニウム熱処理について、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成 横田)
2025.08.06
お客様による工程監査が行われました。
おかげ様で弊社は様々のお客様の様々なアルミニウムの製品を熱処理行っておりますので、お客様が工程監査に来社されます。
工程監査は、メーカー様の独自の監査項目の監査される場合がございます。
先日も遠方からお客様が来社され、工程監査を行いました。使用する熱処理炉を実際に確認していただいたり、弊社の現場作業の流れを確認していただきました。
事前にいただいたチェックシートに基づき、弊社で使用している書類などを確認していただき、スムーズに工程監査が出来ました。
弊社では、実際に現場で役立つ書類や品質を確立する為の書類、シンプルな書類を作成し使用するようにしております。
お客様から見たら、「もう少し細かく説明をした方がいいのでは。」「文章を付け加えた方がいいのでは。」と思われるかもしれませんが、特に現場では、文章が長く、たくさん書いてあると読まなくなってしまうので、見てすぐに理解できることが重要ですので、その為の工夫も行っております。
これからも、お客様に満足していただけるように常にスキルアップをしていきたいと思います。アルミニウムの熱処理でお困りな事などございました、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)