2025.08.27
矯正作業のお見積について
アルミニウムの熱処理を行うときに、製品が変形する場合があります。
高温のために歪みが出る場合や、溶体化処理で水槽に入れて冷却するときなどに発生しやすくなります。
あるいは、アルミニウムを鋳造するときに変形する場合もあります。
そのようなときに、製品をハンマーで叩いて矯正します。
あらかじめ変形しそうな製品、あるいはすでに変形している製品を矯正するときにはあらかじめ御見積をさせていただいております。
ただ、実勢にやってみないとわからない事が多いため、御見積書については「概算」とさせていただいています。
特に大きな製品の場合には矯正が難しかったり、あるいは精度を出すことが難しい場合があります。
事前にそれらを考慮した上で御見積書を作成しますが、予想外に時間や手間がかかる場合には次回以降は単価を上げていただくお願いをさせていただいております。
熱処理のときに変形しないような工夫なども行いながら進めておりますので、それを含めて事前にご相談をさせていただければ幸いです。
アルミニウムの熱処理に関するお問い合わせはいつでも受け付けておりますので、お気軽にご連絡をいただければと思います。
よろしくお願い致します。
(記事担当:森)
2025.08.20
焼鈍処理の炉内冷却について
アルミニウム熱処理の焼鈍処理(焼なまし)は、材質にもよりますが約350℃から420℃ぐらいでおこないます。
目的としては硬さを軟らかくすることが主な目的で、その後に加工をおこなったりそのまま使用したりします。
例として、420℃に加熱して保持した後は、炉の中でだいたい260℃位になるまで冷ましてから取り出します。
製品によっては、炉内での冷却スピードも重要になりますが、目標とする硬さによっては炉の扉を少しだけ開けて熱を逃がして、少し早めに冷却しても大丈夫な場合もあります。
また、260℃に下がるまで待たずに、300℃位でサンプルとして1~2個取り出して硬さ測定をして、目的の硬さ(軟らかく)になっているようであれば炉からすべての製品を出して自然冷却する事もあります。
炉内冷却中の製品を取り出して硬さ測定するやり方の場合には、製品が暖かいときは軟らかめに測定値が出ますので注意が必要です。
このように色々な方法で熱処理をおこなうのは、やはり長時間の熱処理はコストと納期の問題で、熱処理時間が短縮出来れば費用も安くなるという理由です。
アルミニウム熱処理について、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成 横田)
2025.08.06
お客様による工程監査が行われました。
おかげ様で弊社は様々のお客様の様々なアルミニウムの製品を熱処理行っておりますので、お客様が工程監査に来社されます。
工程監査は、メーカー様の独自の監査項目の監査される場合がございます。
先日も遠方からお客様が来社され、工程監査を行いました。使用する熱処理炉を実際に確認していただいたり、弊社の現場作業の流れを確認していただきました。
事前にいただいたチェックシートに基づき、弊社で使用している書類などを確認していただき、スムーズに工程監査が出来ました。
弊社では、実際に現場で役立つ書類や品質を確立する為の書類、シンプルな書類を作成し使用するようにしております。
お客様から見たら、「もう少し細かく説明をした方がいいのでは。」「文章を付け加えた方がいいのでは。」と思われるかもしれませんが、特に現場では、文章が長く、たくさん書いてあると読まなくなってしまうので、見てすぐに理解できることが重要ですので、その為の工夫も行っております。
これからも、お客様に満足していただけるように常にスキルアップをしていきたいと思います。アルミニウムの熱処理でお困りな事などございました、いつでもご連絡をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
(記事作成 堀越)
2025.07.30
オンラインミーティングについて
アルミニウムの熱処理について、最近はオンラインでのミーティングも増えてきました。
移動時間が節約になったり、場合によっては録画することで記録も可能です。
海外の部署と国内の部署とをつなげてのミーティングもあります。
ZoomやMicrosoft Teamsが主流のようです。
通常は事務所にあるデスクトップパソコンで会議を行いますが、場合によっては工場に設置しているiPadを使って製品等を見ながらの会議をする場合もあります。
新規のお客様の場合には、弊社の設備や管理状態を見学したいという要望がありますので、最初の打ち合わせは工場見学と同時に行うことが多く、2回目の打ち合わせからオンラインというケースが多いようです。
最近のAIの進化により、音声による議事録の作成も可能となっておりますので、ますます便利になってきていると感じます。(議事録の作成はまだ使ったことはありません。)
今後も、色々なテクノロジーに対応しながらアルミニウムの熱処理を行っていきます。
熱処理に関するご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせをいただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
(記事作成:森)
2025.07.23
熱処理時の製品の置き方について
アルミニウムの熱処理をおこなう際、変形について良く聞かれる事があります。
鋳物はT6処理(溶体化処理)をおこなうと変形が発生しやすくなります。
特に板状の長い製品や、肉厚の薄い箱状の製品は変形が大きくなることが多いです。
また、T5処理の場合でも変形が発生することがあります。
その為、板状・パイプ形状の製品は立てて熱処理をすることで変形を少なくすることが可能です。
実際には、全く変形しないということはないので、熱処理治具への置き方を色々変えながら変形を最小限に抑えられるように試験などをおこないます。
また、複雑な形状の製品では、実際に熱処理をおこなってみないと分からないことが多くあります。
熱処理後の加工で、多少変形していても大丈夫な製品の場合は良いのですが、変形により加工不良になってしまう場合には、矯正作業をおこない正確な寸法に修正します。
アルミニウムの熱処理について、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(記事作成 横田)